たとえ似合っていなくても、明なら可愛いって言ってくれるかなって少し思ってた。
だけど、やっぱり言ってはくれないんだね。
目の前がぼやけていく。
…明、今はこっちを見ないで…。
「そういえばさ、早和…って、え!?」
だけど神様はイジワルで…
何かを言いかけた明がこっちを振り向いた。
とっさに顔をそらしたけど、間に合わずバッチリ見られちゃってたみたいで…。
「さ、早和?なんで泣いてるんだよ」
「…泣いてないよ…」
焦った声の明が私の頭をポンポンって私の頭を撫でた。
言い返した私の声は完璧に泣き声。
ああ…ダメだな…。
優しくされると、もっと目の前がにじむ。
堪え切れなくなってうつむいた。
「…明。私、やっぱり着替えてくるね。…これ、似合ってないから…」
「え…?何言って…?」
うつむいたまま明にそう告げて、家に向かって走り出す。
「は!?ちょっ、早和!?」
後ろで明の声が聞こえてるけど、振り向けない。
だって私、あのまま明といたら泣いちゃいそうなんだもん…。
言う事がないほど似合ってないんでしょ?
そのまま走って角を曲がった時…
「早和!」
―――ギュッ…
「きゃ…っ!」
いきなり、後ろから抱きしめられた。
一瞬誰かわからなかったけど、すぐにわかった。
だって。
―――『渉と明に後ろから抱きしめてもらったらどっちがどっちかわかる?』
―――『たぶん、わかるんじゃない?』
明だもん。
昔からずっとそばにいる、大好きな明だから。
絶対にわかるよ。

