―――次の日の夕方
「ゆ、結希ちゃん…。ほんとにこれで行かなきゃいけないの…?」
「いけないの!大丈夫よ。すっごく可愛いから!自信を持って!」
「うう…。恥ずかしいよ…////」
結希ちゃんがにこにこと笑いながら私の肩をポンッと叩く。
目の前の鏡には、昨日買った浴衣を着て髪をアップにしている自分の姿。
「やっぱり、いつもの浴衣に着替えちゃダメ?」
「ダーメッ!絶対そのままのほうがいいよ!それに、着替える時間もないでしょ?」
いつもの浴衣は、薄いピンクの布地に大小さまざまな花が描かれた、抑え目だけど可愛らしいデザインの物。
それに比べて、今着ている浴衣は…
――ピンポーン…
「あ、来たみたいね♪ほら、いってらっしゃい」
「…うん」
チャイムがなって、明が迎えに来た事を知る。
結希ちゃんはそれはもう楽しそうに「いってらっしゃい♪」って言ってるけど、正直言って、あまり行きたくない…。
だってこんな浴衣初めて着るし、似合ってないだろうし、それに…
それに、私がこんな浴衣を着てたら明は呆れちゃうんじゃないのかな…
とにかく、この格好で明の前に出るのは恥ずかしすぎるっ!////
「逃げ出したい…」
「こら。せっかくのデートなのに何を言い出すの。似合ってるって私が保証するから、思いっきり楽しんでおいで?」
結希ちゃんがそう言ってにっこりと笑った。
「…いってきまーす」
カランコロン…
家を出て門まで歩くと、門に寄りかかって空を見上げている明を見つけた。

