だから今日もにっこりと娘の私から見ても綺麗だと思うような笑顔を見せて送り出してくれた。
…けど、お母さんを差し置いて問題なのが…
「早和、出かけて来るってどこにだ?そんなにオシャレして誰と行くんだ!?」
親バカならぬ兄バカで心配性で過保護な、司お兄ちゃん…。
「結希ちゃんとお買い物に行くだけだよ。そんなに心配しなくてもいいのに…」
「心配するに決まってるだろ!早和が街に出たりしたら、男共にナンパされて…あああぁぁぁ!駄目だ!早和に触るなっ!」
「だからそれは無いって。私なんか誰がナンパするのよ…?」
ナンパされるとしたら結希ちゃんだよねぇ?
私なんか見向きもしないって。
「その無防備さが駄目なんだ!ちょっとは自分が可愛いっていう自覚を持て!だいたい…」
「あ、もう行かないと!じゃあ行ってきまーす!」
このまま放っておくと長くなりそうなお兄ちゃんの話を途中で遮って半ば強引に家を飛び出した。
あのまま聞いてると結局家から出してもらえなくなりそうなんだもん。
それに、本当に時間が危ないし。
遅れたら結希ちゃんに怒られちゃうよ…!
人の多い駅までの道を小走りで駆け抜けた。
「おまたせっ!」
「あ、やっと来たー!早和、遅い!」
「ごめんね」
駅前広場に着くと、すでに結希ちゃんが来ていて私を待ってた。
結希ちゃんは遅れてきた私を見てちょっと責める顔をしたけど、私が少し息切れしているのに気がついて、しょうがないとでも言うように笑った。

