言われた通りにパーカーを脱いだんだけど…
結希ちゃんと陽ちゃん以外の、つまり男子3人が固まっちゃってる。
「そんなに似合ってないって…。ちょっと傷つくよ…」
固まるほど似合って無いなんて…。
しゅんとしてパーカーをもう一度着ようとする。
「え…っ!?」
パーカーを着ようとしたはず…なのに、グラッと世界が傾いて、気がついた時には…
「あ、明…!?」
明に手を引かれて真っ白な砂浜を歩いていた。
「ごゆっくり~♪」
「明!早和に手を出したりしたら…わかってるな!」
背後から楽しそうな結希ちゃんの声とちょっと焦ったようなお兄ちゃんの声が聞こえる。
明はそれに答えず、黙々と足を進めていた。
「ひゃ…っ!冷たい!」
手を引かれて入った海の冷たさに肩をすくめる。
でも、すぐに慣れて心地よく感じるようになった。

