「…おまえな、」 呆れたように笑ってから「ま、いいわ」と関谷はあたしの手をとる。その動作は自然で、何の違和感もないから、時間差で急激に意識してしまうからやめて欲しいのに。 「冷てー手」 関谷の手は温かい、温度がどう、とかじゃなくて。 「悪かったな」 ギュと握られた関谷の温度があたしに伝わって、不本意に胸がキュウと音を立てる。 カップルの心理描写まで考えてしまう─────それもこれも、関谷、この男が今まで一番縁遠いその事象を難無くあたしに与えるから。