その後、私と葵は靴を履いて昇降口から外に出た。

私達に暖かい風が降り注ぐ。
私の心には冷たい風が吹いていると言うのに…。

落ち込む私の隣で鼻歌を歌う葵。
「あっ!ねえ、さっきの苺パンツって何の事?」
鼻歌を止めた葵が急に思い出したかのように聞く。
葵…、痛いとこつくなー。
「何も、…無いよ。別に」
「ふぅん。ってかさ!!ってかさ!!」
やけにテンションが高い葵。
私と葵って対称的だなと思う。
「竹内廉君って超イケメンじゃない!?」
「あ~ね~、って、え!?」
葵、今、竹内廉って言った!?竹内廉って言った!?
あの竹内廉!?
私の聞き間違い!?
で、あってほしい。頭の中は、悲しみや怒りや色々交ざってぐちゃぐちゃだ。
「もう、マジで言ってんの!?」
と私が怒鳴るように言うと葵はキョトンとした顔で私を見た。
「あの竹内廉!?」
黙る葵にまた、怒鳴るような口調で尋ねた。
「うん、竹内廉君だよ??」
と葵が大きい目で私を見る。
ああ、駄目だ…。
私の願いは呆気なく葵の声によって壊された。

「アイツはダメ!!絶対ダメ!!」
と私が焦るように言えば、葵は少し黙って考えてからニヤッと口角を上げた。
…嫌な予感。

「…分かった。舞、竹内廉君のことが好きなんでしょ?」
予感は的中。
どころか予想を超えた。
って、何言ってんの!?ありえないし!!
「ありえない!!ないないない!!」
と焦って言えば、
「ふぅん。ってかない言いすぎだし」
と口角を戻し、葵が言った。

「ってか男は顔じゃなくて性格でしょ!?」
と葵に訴えれば、
「えー、葵は顔じゃなくて性格でしょ!?」
と即刻で返される。
…葵らしい。