何なの…、コレ。
私の唇に重なっている柔らかい物。
目の前には真剣な顔の竹内廉。
私の唇に重ねっている物が動くと同時に竹内廉の顔も動く。
ようやくキスだと想定出来た。

でも、だとしたらどうして私はキスなんかされてるの?


嫌なのに拒めない私が居る。
それは竹内廉のキスが気持ちと思ってしまっているから…。

そのキスは触れるように重なっていたがだんだん深くなっていく。
深くなるに連れ、私は心地よくなっていく。

「…んっ」

どこから出たか分からないけど、あまりの気持ちよさに自然と声が出てしまう。こんな甘い声、本当に私の声なの?




時間が経つに連れ、呼吸が苦しくなっている。
口の隙間から空気を何とか吸うが苦しい。

離して…。
そう思い押しのけようとするけど中々離れてはくれない。
それどころか腰に手を回しより距離を縮めた。

お願い!!離して!!死ぬ!!

「ん~!!ん~」

精一杯、訴える。
と、やっと私の唇から竹内廉の唇が離れた。

苦しかった…。
精一杯、空気を吸うと竹内廉が鼻で笑った。

「息つぎの仕方も分かんねえなんて初々し~」

と意地悪に微笑む。
言い返す元気もなかった。

私が無言で竹内廉を睨んでいると竹内廉は私のリボンを奪い取り教室から出ていった。