うわ――…。
カップルばっかり。


心細いまま、近くのベンチに腰掛けた。



ぱくぱくっ。


ポップコーンを口に運ぶ。

周りのカップル達をよそに、1人もくもくと食べ続けた。



だけど……。

全然おいしくない。



彩人くんと一緒に食べた時は、あんなにおいしかったのに……。




「今日のは……何か……少し、しょっぱい……」


ゆらっ。

目の前の視界がにじんで。



「あれ? 何で…………」


一粒の涙がこぼれた。