「何だ、彩人も実行委員かよ」


「まあな」


やっぱり、そうだ。

わたしは2人のやり取りを見て、気づいた。



咲坂彩人(さきさかあやと)くん。



天人くんの



双子のお兄さんだっ。

しかも一卵性のっ。


わたしが、じっと見つめていると、




「初めまして。ただ今、恋人募集中の咲坂彩人です。よろしく、神崎優音サン」


「え?」


いきなりフルネームで呼ばれて、びっくり。




あれ――?

どうして、名前?


わたしの心を見透かすように、



「名簿だよ」


テーブルの上に置いてあった、話し合い用のプリントを指差す彩人くん。




そっか。

納得するわたしに、いきなり……。



「可愛いね。俺と付き合わない?」



耳打ちで彩人くんが言った。