その日の5時間目の授業は、自習になった。


と同時に。
奏子ちゃんが、わたしの席に飛んできた。


そして、昼休みの真相を話してくれた。




有澤くんが、奏子ちゃんを呼び出したのは、

やっぱり告白……だったんだって。



だけど、その告白を、奏子ちゃんは断っちゃったらしい。


ホント、びっくり。



告白をされながら、考えちゃったんだって。


元カレの事。



――これが、和孝からの言葉だったら――

って。


だから、自分の気持ちを貫く道を選んだ。



「和孝の気持ちは分からない。でも、信じたいんだ。やり直せるって」


奏子ちゃんの瞳に、もう迷いはなかった。



「それより、優音。やっぱり、彩人くんが好き?」

「え?」


奏子ちゃんが、耳打ちで聞いてきた。



「…………たぶん」


わたしが答えると、


「そっか」

小さくため息をついた、奏子ちゃん。



「優音には、ちゃんと話すべきだと思うから、言うね」

突然、切り出した。



「うちが初めて、優音に話しかけた日の事、覚える?」

「もちろん」