『ここは病院です。もう大丈夫ですよ。今は身体がうまく動かせないと思いますが、じきに治りますから。』 優しく説明したあと、母親に『明日また診察します』と伝えて出て行った。 私、なんで病院に居るの……!? この重い身体は何……!? なんで声が出ないの!? 母親は隣で泣いている。 『多希…良かった…良かった』と涙を流して。 ピ、ピ、ピ…という機材の一定音だけが耳に残る。 何があって、私は今ここに居るんだろう。 ズキッと脳に激痛がはしる。