理事長はまるで人事のように言いのけた



「では、行ってよろしいです」



理事長にそう言われて理事長室にある時計を見た



あれから10分立ってる
……



水嶋海貴は時計など気にせず、もう理事長室から去ろうとしていた



あっちょっ!



水嶋海貴に追いていかれないよう閉められる扉をがっしり掴むと案の定水嶋海貴は不思議そうな顔をした



「2人とも…」



「「はい?」」



理事長に呼ばれたのが意外で返事が少し高くなってしまった



「自分のクラス、見てないでしょう」



理事長に言われてハッとする



あたし…知らないのに行こうとしてたなんて馬鹿じゃん



「A組は1階の入口近くですから」



そう言って理事長は机にあるたくさんの書類に目を通し始めた



それを合図に失礼しましたと扉を閉めた