「……行ってらっしゃい」

そう聞こえて振り返ると、

顔をほんのり赤くして、はにかんでいる遠藤がいた。


やばい……可愛い…


「…行ってきます。」
そう告げて再び歩き出す。

《何か…今の会話…夫婦みたいだったな…》

そう思いながら屋上に入ると、丁度一面クリアしたらしく、ガッツポーズをしていた修吾に


「お前、何ニヤニヤしてんだよ。気持ち悪いぞ。」

と言われてしまった。


「うっせえな」
慌てて顔を押さえて、頬の筋肉を下に下ろす。


「…遠藤と何か良いことがあったんだろ。」

本から顔を上げた章斗に言い当てられた。