隣の男はよく見える


「毎日さあ~、冷凍食品・レトルトにカップ麺並べて
『どれにする?』とか言われても、もう何でもいいって感じじゃん。
なのに殴るわけ。酷い姉だよね。」


静がそう言って笑った。


そんなことあった・・・っけ?



あった・・・よね。



笑って許してくれるわけ?




「じゃあ、イタリアンにして。」

「さくらのイタリアンってパスタだろ?」

「だよ。悪い?」

「何かもっとご馳走にしようよ。」

「静のご馳走ってどうせお寿司でしょ?
回るやつ。」


「だよ。悪い?さくらだって回るのしか食ったことないだろ?」


「ありますよ~だ!私はこれでも社会人よ。
すし屋のカウンターぐらい何度も行ってるってば。」



確か・・・3回ぐらい?



「ほ~、そうですか。で?頼むのは玉子?」


く・・・・


「玉子をバカにしちゃいけないわよ!
玉子でその店の良し悪しが分かるってぐらい玉子は重要なんだから!」


実際は良し悪しなんて・・・

私には分かんないけど・・・。



「ふう~~~ん。」



静の疑いの眼差し・・・。