隣の男はよく見える



「何で?」

恐る恐る聞いてみた。



「だってさあ、『隣、危険。惚れちゃダメ。』
って・・・何だよ。」




え、、、


そんなこと言ったの・・・私。。。



気を失った振りしたいぐらい・・・。





「ほ、惚れないよ。違うって!
そう・・・意味が違うから!」



慌てて立ち上がる。


後ろのキャビネットから意味なくファイルを探す・・振り。



そんな私の後ろから・・・



「違いますよ。さくら先輩はきっと・・・。」


後輩が旭に言い掛けた。


「きっと何?」


旭が興味津々で聞く。


「きっとぉ、お隣の・・・」


「隣?化粧品会社のあいつのこと?」


旭は後輩が言い掛けたところに口を挟み


「お隣の化粧品会社のあいつって?何のことですか?」

「え・あ・・違うの?」


「はい。でも・・その人の話は後で聞きますね。
今日のさくら先輩は隣のクリニックのイケメン医師に夢中なんです。」


余計なことを言い放った。