隣の男はよく見える

「はい。プリンとチョコね。」

「ありがとうございますぅ。
やっぱこのプリンが一番美味しいんですけど大きいから恥ずかしくって自分じゃ買えなくって。」


はあ?

こんなの買うのに恥ずかしい?

分んない・・・今の子って・・・

って・・・
私はいくつだよ・・・。



「そう言えば、お隣のクリニックに若くてすっごいカッコいいお医者さん
入ったみたいですよ。」


イケメン医師?

別に・・・興味無いし。


この後輩ってば男に関することは、すっごい情報が早い。



「30前後みたいで独身らしいですよ。どうです?さくら先輩?」

「私?そうねえ・・・。」


女性社員がこの後輩と私しかいない営業所。

だから毎日二人で食事。

だから毎日こんな話ばかり・・・。


ま、この後輩のお陰でいろんな合コンに誘われてるわけだけど・・・

実りは・・・無い。。。。



「どんな人?」

「まだ見てないです。」

「じゃあ、本とにイケメンかどうかは分んないじゃない?」

「隣に薬入れてる会社の営業マン情報ですから多分大丈夫ですって。」


そんなとこまで・・・


「それって・・・彼氏?」

「元ですけど。」

「元・・・ね。」



はあ~、次から次と・・・


「あ、それとぉ・・・。」


後輩が何だかもったいつけるような口調になった。