隣の男はよく見える

あれから見かけなかった小暮くん。



朝の通勤電車で会った。

「おはよう。」


私の中で不満があったから小暮くんの挨拶に

「・・・。」

「なんか・・・怒ってる?」


分かりやすく無視したら

小暮くんは私の顔を覗き込んできた。



「なんであんなこと言ったの?
付き合ってるって・・・。」


ツン!とあごを上げ彼を見上げてそう言ったが・・・


顔が・・・近い

と気が付いた。


ちょっと・・・焦る。


だって・・・

やっぱいい男なんだもん!



「ダメだった?」

「ダメって・・・。」


イケメンに弱い訳じゃない。


静で見慣れてる・・・でも


ダメだ・・・

こうも接近してると・・・



あ~~~~ばか者・・・



言いたいことも言えない。。。



「ライバル撃退のつもりだったんだけど?」

「ライバル?旭?」

「そう、彼もさくらちゃんのこと好きだろ?」

「それは・・・。」

「だから先手を打ったんだ。
あいつには負けたくない。」


先手を打つ?


「負けたくないって?」



男心って・・・


複雑?