そんな怒りの頂点のときに
「おはよう。」
後ろから声を掛けられたのだった。
多分すごい形相・・・だったはず・・・
「あ、旭・・・おはよう。」
旭だと気付いて・・・見られてた?
「何やってんの?」
「え?何を?」
「その手さ。」
手????
自分でも無意識・・・
私は拳を壁に打ち付けていたのだった。
「ボタンはこっちだけど?」
「え・・ああ。」
旭がエレベーターのボタンを押して言った。
別にボタンを押そうとしてたわけじゃない。
だいたい拳で押す人・・・いないでしょ?
かなり腹が立ってたから振るえる拳が壁に向かっちゃったんだと思う。
「何でも破壊しようとするのはどうかと思うよ。」
「破壊?んなわけないでしょ!」
いったい私・・・どんな女だよ・・・。

