「まあ、さくらには男心なんて分からないさ。」


男心?


余計分からない・・・


「はいはい。勝手にしてください。」


そう言って部屋に引込もうとしたら、

「何それ?」



静が私の持っている紙袋を指差した。


目ざとい・・・



「お土産貰ったの。」

「誰に?食べ物?」

「この前送ってもらった人。
ブランドのバック。しかも限定ものだよすごいでしょ?」


「どっち?立花さん?」



「違う・・・」




何でだろう?


静の口から旭の名前が出た途端



変な・・・気持ち




「どっちがいいかって言ったら、俺は立花さんのがまだまし。
何かお土産からして怪しいし。」


聞いてもいないのに静が言った。


何で?



「お土産が怪しいなんて失礼じゃない?

それに、旭とはあり得ませんから。」



そう・・・


旭とは・・・ない




うん?『まだまし』って?



「まっ、そのうち分かるんじゃないの?
自分の気持ちに素直になれば。」



妙なこと

静が・・・言った。



自分の気持ちに素直になる?・・・


だって、小暮くんは初恋の人だよ?


何がいけない?・・・の?