隣の男はよく見える


帰りにエレベーターの前で小暮くんに遭遇



「やあ!さくらちゃん今から帰るの?」


急に会う心の準備が・・・


「こ、こんにちは。そ、そうだけど・・」



この間のこと・・・

後輩とのこと・・・

聞かなきゃ・・・


だけど



そう思ってるうちに

「今日これから暇?」


小暮くんが言った。


「え?ああ・・うん。」

「そっか、よかった。
今日出張から帰ったばかりなんだ。
渡したい物あるから下で待っててくれるかな?」



出張?

それで居なかったの?


じゃあ・・・後輩は?



「う、うん。分った待ってるね。」

「じゃ、あとで」



小暮くん・・・『そうちゃん』は、

何のヤマシイところも感じさせないで

行ってしまった。




有也の件があるから全てを信用することができない。


有也のこと・・・辛くない訳じゃない。


初めての人だし・・

ちょっとあの時の自分が蘇って『好き』モードになってきてたし・・・



あっちがダメならこっちって訳じゃないけど・・・


恋したい



誰かと・・・一緒に・・・居たい








お隣は・・・いつか別れが来るんじゃなかった?