隣の男はよく見える


多分・・口が開いたままだったと思う。



言葉が出てこなかった。



あんまりビックリして・・・。





そして・・・

大人だからキレないって言ったけど・・・




「何で小暮くんが総ちゃんなの?

あかり知ってたの?

何で言ってくれなかったのよ!」




これって・・・

逆ギレ?




「知ってたら言ってたよ。

幼稚園の数ヶ月しか居なかったやつだよ。

記憶の糸を手繰り寄せたら分かったの。

それに小暮くんの言動が変だって言ってたじゃない?」



そうだっけ?



そっか・・・




「記憶の糸を手繰り寄せても私には分かんなかったな~。」


実際・・・

私の記憶の糸は・・・


手繰り寄せても・・・



当てにならない





いっきに冷静になった。




「何で黙ってたんだろうね。」


「私に聞くより本人に聞きなさい。」



「だよね。」