両親と一緒に病院に行った。
「大変申し訳ありませんでした。」
両親はふかぶかと頭を下げ、
「ほら、さくらも謝りなさい。」
「ごめんなさい・・・。」
消え入るような声で謝った。
ショックから立ち直れなかった。
あんなに大量に流れる血を見たのも初めてだったし、
そんなつもりなくても自分がしたことで起きたできごとだったから・・・。
それが・・・
『さくらちゃんの側に行くと怪我するって。』
誰かが言った。
きっと、どこかの親たちが話していたことをそのまま言っただけ。
『さくらちゃんとは遊ばない。』
人生最初のいじめ?
そう、もう身近な人を好きにならないって思い込んだ出来事の発端?
怪我をした本人はかばってくれた。
「さくらちゃんは、悪くないよ。」
その子は、そう言ってくれた。
でも、その言葉は、
当時の私には届かなかった。
それは、その子が数ヶ月後に親の仕事の関係で引越してしまったから。
さくらが悪い。
さくらは、好きな人を傷つける・・・
だから・・・
さくらの側から・・・
いなくなってしまう・・・
だから、すぐ側はダメ。
すぐ側の人は・・・
好きに・・・
ならない

