隣の男はよく見える



ある日―――


静のこととは別に

幼稚園ではある男の子を好きになっていた。


その男の子もまた私のことが好きで、両思いってやつ。



でも・・・


「ぼく、さくらちゃんが一番好きだからね。」


その子が言った。


「うん。さくらは、そうちゃんのことせいのと同じぐらい大好きだよ。」


そう・・・

子供って・・・

何で上手く言えないのか・・・



『そうちゃん大好き』だけで

いいのに・・・



「なんで?ぼくは、さくらちゃんが一番だよ。」

「だって、さくらは、そうちゃん大好きだけどせいとけっこんするの。」

「ダメだよ。弟とはけっこんできなんだよ。」



その子もママと同じことを言った。



静と結婚できないと言われたことよりも


ママと同じことを言ったことに腹が立って・・・