隣の男はよく見える


「僕・・・帰ります。」


駿くんが急に玄関に向かった。


すっかり駿くんの存在が・・・


「駿くん、さくらの心配して来てくれたのにさあ。」



静が駿くんを追って出て行った。




駿くんも・・・

気づいた・・・

よね?



自分が『お隣さん』だってこと・・に





旭が立ち上がった。


「オレも帰るわ。居てもしょうがないし。

彼、本当に弟だったんだ。」




今さら気づいたの!




「何度も言ってるでしょ。」

「あの様子からすると・・・」

「何よ?」

「かなりのシスコンだな。」

「シスコン?」

「じゃあな。シスコンの弟さんに心配ないって言っとけよ。」



はあ?



旭は帰って行った。



心配ないって?



それは・・・

私と旭がなんて・・・



あり得ないって・・・こと?



話があるって来たくせに話はそれだったの?