隣の男はよく見える


顔合わせにくいよぉ・・・



「おはようございます。
さくら先輩昨日のデートどうでした?」


席に着くと後輩の第一声はそれ。


隣の席には、旭は居なかった。



ちょっとだけ・・・ホッとした・・・




「ど~もこ~も、ドタキャン。」


興味津々の後輩にも話すネタすらない。



「そうだったんですか?
じゃあ昨日のあれは・・・。」



後輩が急に黙り込み仕事をし出した。



何?


昨日のあれって?



「どうしたの?」

「いえ・・・別に。」


おかしい・・・



絶対に何かある!



おしゃべり好きのこの後輩が黙って仕事なんてあり得ない。


でも、絶対に言いたくてウズウズしてるに決まってる。



「何でもないならいいんだ。」



私が興味なさげに仕事をし出すと、


「見ちゃったんです。」

と後輩

「何を?」

「実は・・・」


取り合えず聞くしかないでしょう。