隣の男はよく見える


会社の近くの居酒屋に旭と二人で入ったのだが・・・


「さくら・・お前飲み過ぎ!」

「うっさい!飲ませろ!」


自分でも何でこんなに腹が立ってるのか分からなかった。



「そんなに彼氏のドタキャンに腹立てるんなら、
電話で本人に文句の一つも言ってやればよかったんじゃね~の。」


旭がグラスを取り上げようとする。



「彼氏じゃないも~ん。
それに旭だって『いいよ。また今度で。』とか言ってたじゃん。」



「俺は、また今度でもいいの。」


「はあ~?じゃあ、やけ酒は私だけって訳ですかあ~。」



何でやけ酒になってるかも自分で分からなかった。



有也のドタキャンがそんなに辛いの?





そんなの・・・分かんないよ。