「自分で持って帰ればいいじゃない。」
「重いからやだよ。」
そんな理由でこれを持って待ってた訳?
「私だって重いからやだ。」
静に返そうとするが、
「食べれば軽くなるじゃん。」
私に食べながら帰れってか?
「やだ。こんなの持って電車乗れない。」
「さくらだったら大丈夫。」
静と押し問答してたら何故か通る人通る人が見ていく。
そっか・・・
静ってば目立つもんね。
今日は予備校でバイトだからだろうけど
カッターシャツにパンツって姿で地味なのにカッコいい。
って・・・そんな場合じゃないな。
会社の人間がいつ現れるとも分からない。
特にあの後輩なんかが現れたりしたら大変!
「分かった。持って帰ればいいんでしょ。」
「さくらのために取って来たんだからね~。」
調子いいやつ・・・
「晩ご飯は?」
「食べて帰る。どうせさくらじゃ弁当になるし。
一人でさみしいの?」
「さみしかないわよ!
も~、静あんた・・・。」
静に向かって拳を振り上げようと思ったが
両手が塞がっていたのでつい蹴りを入れたら・・・

