「ねえ美里。好きって何?」


私の問いかけに美里は困ったような表情をした。


「なんか………上手くは言えないけど……。
私はねその人のそばに居たいなと思ったり、一緒にいて安心できるような気持ちだと思うよ。」


『そばに居たい』


『一緒に居て安心』


そういう気持ちを私はどちらに感じた?


私が悩んでいると美里は遠くの空を見ながら言った。

「夢…大切な人はそばに居るから。
もう心の中に居るはずだから……見失わないで。」


私はうなずいて美里が見つめている空を見た。
合コンのときとは違いずいぶん日が長くなったせいか空はまだ明るかった。


卒業はもう少し。
私たちの中で中学生と言う季節が終わろうとしていた。