『すみません。あなたに割く時間などないんです。』 私は笑顔のまま手を振り払って、ハンカチでキスされた手の甲を拭く。 そりゃもう、拭きまくった。 するとチャラ男は少しビックリした顔になる。 「……俺にここまでされて落ちないんだねぇ。」 恋に落ちるとか以前に、嫌悪感すら感じますけど何か? 『変……ですか?』 「うん。初めてだよー、俺に口説かれて惚れなかった女の子は。」 お前の周りの女の子はどんだけ軽かったんだよ。