それどころか、少し抱きしめる力を強くした魁。


え、スルー?
私の言葉、全部スルー?



「…はぁ、分かった。燃やす。だから離れて。」


「絶対一回は読むんだろ?」


「そりゃ…、相手が可哀相だし。」



そこまで言えば
何故か身体を反転させられ、向き合った形にされる。


私の背中には、壁の固い感触。



そして


(……近い近い近い!)


目の前にある魁の顔。