乱れた呼吸を整え、私は再びマイクを手に、口を開く。 『次は、カナンと私だけの演奏になります!みんな、聞いてね!』 笑顔でそう言うと 《ユミ可愛いー!》 《カナンも!》 と、言ってくれた。 私の後ろでは、魁と泰斗が驚いている。 そんなの聞いてねーぞ、と、モロに顔に書いてある。 だから、私は口からマイクを遠ざけ、魁にだけ聞こえるように言った。 『魁、聞いててよ。魁に伝えたいことだから。』 ―――これが、私からのサプライズ。