そして――…


『じゃあ、始めます。』


私達は、歌い出す。


魁のギターと、華南のベース、泰斗のドラム。


それらの音に、負けないように、私は歌った。




――どんな内容の歌だったっけ?


頭の中が真っ白になりながらも、歌い上げた。

ただ、夢中で。




歌い終わったとき、
拍手が聞こえて、初めて歌っていたときに何も聞こえてなかったことに気がついた。