『……ねぇ。』


「なんだ。」


『兄妹二人して、泣かせたいの?涙腺マジで崩壊しそうなんですけど。』


「今は泣くなよ。面倒だから。」


『鬼畜かこの野郎。』





―――もう、既に泣いてるけどね。


魁は知らないフリをしてくれているんだろう。




私は手紙を封筒の中になおし、涙を制服の袖で拭いた。





『二人、そっくりだね。考え方とか。』


「そりゃ、兄妹だからな。」


『そっか……。』




私は立ち上がって空を見る。



マーヤのご要望だ。




『さぁ、目立とうか。』



ニッと笑って言うと
魁は呆れながらも微笑んでくれた。