橋倉は私の頬に添えていた手を移動させて、私の耳にかかっていた髪をずらした。
リンッと音が鳴り、イヤリングが揺れる。
「コレで有美と黙秘同盟とやらを作る前から、有美が欲しかった。
それで、桜田に協力してもらおうとしたが……、契約を結ぶことで、俺は有美から手をひいた。」
私は俯く。
私のせい。
すべて、私のせい。
あの子の笑顔を、自由を、
奪ったのは私。
――――《ごめん。》
私は、ハッと顔を上げる。
さっき電話のは、何の謝罪だった?
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