『分かってるなら話は早いんだけど。マーヤと、付き合ってるでしょ?』 「いいえ。付き合ってません。」 ……は? いや、だって 私は見たんだ。 マーヤと、橋倉がキスしてるシーンや 休日に一緒に車に乗っていたところも。 なのに…… 「桜田としていたのは“交際”じゃない。―――“契約”、だ。」 私は目を見開いた。 ―――「契約成立、ですね。」 橋倉はマーヤとキスをするとき、そう言っていた。 それに 『橋倉……アンタ、口調。』