しかし もう放課後で、マーヤは学校を休んでいたから、見間違いだろうと思うことにした。 少しだけ遠くなった橋倉の背中を、少しだけ睨みながら。 ――ガラッ。 「あぁ、……散らかってますね。一体誰が……。」 『アンタだアンタ。てかアンタしか資料室使う人いないから。』 そうですね。と言ってクスクス笑う橋倉を一瞥し、話し出す。 『そんでさ、……。』 「桜田さん、のことでしょう?」 私が言う前に、言われた。