毎朝俺は7:50に家を出る。

学校までは10分かかる。
わりと近い方。




今日は朝から雪が降っていて寒い。

昨日部活で作った怪我に寒さがしみる気がして
マフラーを鼻までうずくめる。





「桜丘高校」と書かれた門をくぐる。


そして、朝から騒がしい2-Dに入る。






俺の席にはいつも・・・・・





「おはよ」



由井 茜が座っている。



「はよ」







俺はその人に恋をしている。






彼女はどうせ俺なんて興味ない。


ただ、俺の席のとなりの
広村 千鶴と喋るために座っている。







俺は勘違い男なのかもしれないが、
一度も恋をしたことがない俺にとっては




ドキッっとする。









「あれ、鳴海その怪我どーしたの??」


こーやって俺の微妙な変化に気づいてくれる。




「部活で、ちょっと」


「へぇー、痛そう」


「ちょっと、触らせてよ」

ドSの広村が言う。


「嫌だよ、いてぇーもん」

「えー、いいじゃん!!」


傷を触る。


「いってぇぇぇぇ!!!!」


笑う広村。

同じく笑う由井。



あぁ、もう本当に広村嫌い。