息が白い。ちょっと面白くて、はぁーとわざと息を吐く。 街灯の光がそれをより一層、幻想的なシチュエーションに変える。 「寒っ。」 ポケットに手を入れ、携帯を取り出した。時計を見る。現在の時刻は22時。そろそろ門限だ。 「帰ろ……。」 一人つぶやき、歩きはじめた。 今日も君は現れなかった。