ブラッツ





「お互い、おかしな父親を持ったものね」


ボソっと聞こえた声。


聞き取れずに、


「なに?」


聞きかえすけれど、女はそっぽを向いたまま何も答えてくれなかった。



悩む。



自分が死ぬか、俺がこの女を殺すか。


この2選択のみ。


絶対選ばなければならない。


絶対。



「………」


少年はじっと考えた。


でも考えるほどではない。

答えは決まってる。