ついさっきまで眺めていた中庭に到着し、ベンチに腰掛けた。 中庭には生徒は1人もおらず、静かな時間が流れていた。 「そういえばさ、ななはあの事件、知ってる?」 卵焼きを口に入れようとしていた時、亜衣からそんな質問をされ、卵焼きを掴んでいる箸を下ろした。 「じ、事件?」 な、なにそれ。 全く亜衣のいっている事が理解できなくてきょとんとしていると 「やっぱ知らなかったか」 「…ハィ。教えて下さいませ」