《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~

「しっ、シオン。
 もっ、もっ、はぁ、どこ、にいる、の。」

 まともに言葉が言えない。


――体は茶色で、緑色のペンダントがあって・・・――

 シオンの姿を頭の中で思い浮かべる。

 ちょっと大きめのくまのぬいぐるみに。

 首にYシャツの襟みたいのが付いていて。

 ぱっちりした目に・・・

 こうしている間に、時間が刻々と過ぎていく。


――いつもはちゃんといるのに・・・。――

 もう、不安とか、焦りとか、いったいどういう気持ちなのか、はっきりとしない。