《完》17歳の医者 ~天才医者は助手に恋した~

 ルミナミエは、ルクファーダほど泣かなかった。

 心が強くなったのか、院長になってそれどころじゃなくなったのか。

 いずれにせよ、泣かなかった。


 ルミナミエが院長になったと同時に、エクシリオンは助手になった。

 夢がかなった。

 毎日が幸せ。

 でも、いつも頭から離れないのは、ルクファーダとエグフィーダの二人を殺したこと。

 どんな事情があっても、殺したことに罪悪感が残る。

 ルミナミエが一生懸命仕事やっているところを見ると、こんなつらい目に遭わせたと後悔してたまらない。

 本当だったら、他の人同様に青春を謳歌していたはずなのに。

 二人を殺したことによって、青春を奪ってしまった。