「全く、本当に世話のかかる二人だった」

 ため息混じりに呟いたのは、ドアの陰から見ていた北島だった。

「そうだな。素直じゃない藍原に、鈍感な石橋。二人をくっつかせるには、本当に大変だった」

 そう言うと、佐藤は苦笑した。
 同意するように、後藤と谷口が後ろで頷いた。


「いい?佐藤くん。石橋くんが藍原さんを泣かすような真似したら、私許さないからね」

「え?俺を?」

「そう。連帯責任で」

 北島は、胸をはった。
 その口調からして、本当に許さない気でいるのだろう。
 佐藤はまた苦笑いをした。

―お前も、もっと温厚な性格だったら、モテるのにな。

 佐藤の感情が、北島に届くことはなかった。
 北島はドアの隙間からまた二人を見た。
 中には、頬を赤く染め、戸惑っている二人が見えた。

―幸せになってね。

 そう心の中で呟き、北島はドアを閉めた。


-end-