「どうやって、抜け出そっか」

 そう切り出したのは、藍原さんだった。

「ドアは開かないし、な。どうしよっかな」

「あんたって、強いのね」

 予想外の言葉だった。僕はばっと、藍原さんを見た。

「な、何よ。べつに、誉めてるわけじゃないんだから」

 いや、誉めてるじゃん。

「あんたってあれよね。すぐに調子に乗るし、いいことなんて何もないじゃない」

「ごめん」

 何か、傷ついた。今のはグサッてきたよ。マイハニー。
 藍原さんは、それを察してか、焦った表情をみせた。

「ち、違うよ。今のは失言というか……」

 はいはい。フォローの言葉も見つからないほど、ダメな人間ですか僕は。

「もういいよ」

 そう言って僕は、ドアノブをひねった。ドアは開いた。

「あれっ?」

 何で開くねん!!?さっきまで開かなかったくせに…!!

「メリークリスマス!!」

 クラッカーがなり、家の中に電気が点いた。
 そしてドバドバと、僕の見知った顔が、部屋の中に入ってきた。

「クリスマスのどっきりだよ?」

 それを言うのは藍原さんの友達、北島さんだ。
 茶色のロングの髪の毛に、ウェーブをかけている。顔は藍原さんと同じように、綺麗に整っている。

「そうそう。石橋の恐怖で怯えた顔、笑えた」

 笑いながら言うのは佐藤。

「いや、待て。どっきりって……あれはババ抜きで」

「あー、あれはいかさましたのだから」

 冷静に後藤が言った。
 まさかのいかさま?何故にいかさま?新手のいじめかよ!?