春風が通りぬけるとき。



『親友を心配するのは当たり前だよ!』


何気なく出た、萌自身のそれ。


「……」


“親友”

それが意味するのは果たして。

その言葉自体が重く、大切で大事で。


──大好き


そんな沢山の意味が籠められているひとつの、単語。

今まで真帆自身、無意識のうちにその言葉を使うのに顕著していたのかもしれない。


(…だから、気付いた今だから)


「萌」

『ん?』


──伝えたい


「こんなあたしを…、親友にしてくれて、親友でいてくれて、ありがとう──」

『……ま、ほ?』


コクリ、と微かに喉を鳴らして、驚きに満ちた声が電話の向こう側から耳に直接届く。

暫くの間、お互いに何も話さずに沈黙が続いた。

けれど、どうやら相手は堪えきれなかったみたいで。