春風が通りぬけるとき。



こんなに苦しい想いをしなくちゃいけないなら、もう一層のこと嫌いになればいい。


嫌って嫌って、もう顔を合わせることも、声さえも耳に入れたくない。

名前さえ、聞きたくない。

それくらい嫌いになれるのなら、いっそ清々しいだろう。

そうすれば、どれくらい楽か。


そこまで思考が辿り着いた時、フと自嘲的に笑みを称えた。

唇をまるで、ゴムか何かで引っ張ったかの様な。