春風が通りぬけるとき。



スゥと軽く深呼吸をし、自分をなんとか落ち着かせる。

これだけでも、ほんの少しだけ気が静まった気がした。


「先生」

「ん?」

「その…相談というのは」

「えぇ」


区切れが悪くとも、ちゃんと聞いてくれる先生。

だから、最後まで何が何でも話さなくてはと思った。


「恋愛…の相談、なんです…」


そう口にすると先生は耳を傾け、聞く体制に入った。


「あたし…好きな人がいるんです」


それから、ポツリポツリと小さいながらもしっかりと今の想いを口に出す。

名前は一応伏せた。別に先生を疑うわけではないが、なんとなく名を出すのは気が引けるからだ。

ちゃんと先生は話を聞いてくれた。

中でも、その好きな人が親友の彼氏だと言うと酷く驚いた様な表情をした。だけど次には何処か納得した様な顔をみせる。