春風が通りぬけるとき。



突然、キーンコーンカーンコーン…とお馴染みのチャイムが鳴った。

ふと何気なく時計に目を向ける。


(…あ)


このチャイムはどうやら授業開始の合図みたいだ。

どおりで保健室の外が静かなわけだとひとり頷いた。

一時間目の授業は確か、理科だったはず。

一学年の理科担当教師は偶然にも池先生だ。

雪原先生は池先生が理科担当だと覚えていたのだろう。

道具が並んでいるその横には紙が束に置いてあり、それは学年別になっている。

それは各クラスの時間割が書いてあるので、先程彼女が見ていたのはきっとそれだろう。


時計の動く針の虚しい音を特に何をするわけでもなく聞いていると、ガラッと短めな音が響く。

そこに目を移せば、先程出ていったはずの雪原先生。