春風が通りぬけるとき。



「あの…、あの」


もはや頭がパニックになる寸前。


(何て…、何て言えばいいの)


まず最初に体調が悪いのは本当は違うんですって訂正する?

それから次は?


(えっと…えっと!)


相談ならもう何回も雪原先生にしてきたのに、恋愛に関してだからなのか、緊張して頭が回らない。

それなのにも関わらず、先生は自分が口を開くのを待ってくれている。

早く言わなくてはと本気で焦りが出始めた頃、それを凛と響きのある声が遮った。


「井上さん」