私の父が経営する会社に勤める愁哉さん。婚約者であった彼と一時婚約を破棄したけれど、色々、そう本当にそれで済ませてしまうには申し訳ない位色々あって、またペアのプラチナリングは私の左手の薬指に居場所を落ち着けた。
この頃、愁哉さんは支社での不正それに伴う処理、それだけでなくても通常の業務に忙しくて会える時間は極端に減っていた。
寂しくない、と言えば嘘になるけれど、それ以上に彼の傍にいられる事が嬉しくて会えない日々が続いても文句など全く無い私は駄目なのかしら。
仕方ないわ。
好きで、
好きで、
どうしようもない程焦がれた
最愛の人─────

